2018年07月01日

★活動報告 第83回はけの森調査会<もっと知りたい!カリバチの生態>

第83回はけの森調査会<もっと知りたい!カリバチの生態>報告

18/06/03(日)9:30〜12:00  はれ 気温28℃  参加31名
はけの森緑地2(中町4-12)にて
観察指導 田仲義弘氏(昆虫写真家)

はじまり0001s.jpg
                       
はけの森緑地2に設置されいるハチ宿が老朽化したため、竹を入れ替え修理することになりました。これを機会に、ハチ宿の観察と小型ハチ宿作りをすることになり、カリバチ研究の第一人者田仲義弘氏をお招きして、不思議でおもしろいカリバチの生態を学びました。田仲氏には、以前の調査会にも何度か来ていただいています。


竹を取り出す0004s.jpg
竹を割って中を見てみましょう

ヒメハキリバチ巣cs.jpg
ヒメハキリバチのマユ(中に前蛹が入っている)田仲氏提供

ヒメハキリバチ葉搬入cs.jpg
葉を運ぶヒメハキリバチ 体長約9mm 060805撮影 田仲氏提供

ヒメハキリバチは葉で部屋の仕切りを作ります。

ハチ宿正面フタ3737cs.jpg
ハチ宿の竹を正面から見る

種類によって、フタの材料が違います。白く見えるのは、ヤマトルリジガバチの巣で、材料は鳥のフンです。ドロのフタはナミカバフドロバチ等、ナミヒメクモバチは巣の入り口にドロの壺を作ります。

☆男の子の質問:片側だけしか開いていない竹筒で奥の部屋で先に羽化したらどうなるんですか?
答:「基本的には前の蜂が出て通れるようになるまで待つ」です。ただし一つ工夫があります。蜂の♀は体が大きく成長に時間がかかります。それで先に作る奥の部屋には♀の卵を生み(食べ物も多く用意しておく)、後から作る手前の部屋には先に羽化する♂の卵を産みます。♂と♀を産み分けられるのです。

☆羽化したハチは出口の方向をどうやって知るのでしょうか?
答:仕切り板のザラザラした方が出口方向です。仕切りを作る際、作り手側の表面はきれいに塗り固められるが、裏側はザラザラしている。

フタがあるか見ている0014s.jpg
フタが付いているかな〜?

大きい方のハチ宿の古い竹材を皆で全部取り出しました。フタがしてあれば、その中には、ハチの蛹や幼虫が入っている証拠です。

スダレのハチ0011s.jpg
スダレに巣を作るハチもいるんだよ

田仲先生は以前、長期間にわたり、この緑地のハチ宿に来るハチを撮影に来られていたことがあり、2007 年には、スダレに営巣するヤスマツヒメアナバチという珍しいハチにここで初めて出会われたとのことです。
120408付記事 はけの森のハチ宿参照
ヨシズのスダレには、アリマキバチやカタグロチビドロバチが営巣した痕があるものもありました。

竹を割るs.jpg
ワー、これは何だ? A.K.氏撮

フタがしてある竹を皆で開けてみました。古い竹なので、フタに脱出した穴が無いのに、以前に営巣した痕(あと)と蛹がらや成虫の死骸ががあるものばかりで、生きている幼虫等は見つかりませんでした。表面に木クズのついたドロのフタをするオオフタオビドロバチやセロファン状仕切りを作るメンハナバチ等いろいろなハチがここで営巣していたことがわかりました。

メリトビアコバチ6181cs.jpg
メリトビアコバチ 約3mm

また、メリトビアコバチというたった3mmほどの小さな寄生蜂(生きている)がいました。「アシナガバチ・ミツバチ等の社会性の蜂ではなく、母蜂が1匹で子育てをする孤独性の蜂ならば、昆虫を狩るものでも花粉と蜜を用いる花蜂でも寄生します。親が用意した食べ物ではなく、幼虫や前蛹に寄生するので狩蜂にも花蜂にも寄生できます。」とのこと。

ナミカバフドロバチs.jpg
ナミカバフドロバチの死骸(羽化したのに出られなかった)

 ヤマトルリジカバチ?クモの足残.jpg
エサにしたクモの足だけが残っている

「この緑地では、ナミジガバチモドキとオオジガバチモドキを見ていて、クモの足が細長かったのでオオジガバチモドキと思われます。ナミジガバチモドキが狩るのは、ハエトリグモ等徘徊性のクモです」とのこと。

ヤモリの卵s.jpg
ニホンヤモリのタマゴ 約10mm

古い竹材に、ニホンヤモリのタマゴがついていました。この緑地にはヤモリがたくさん住んでいて、調査会の際にもよく見かけます。

竹を切る0032s.jpg
はじめてのちょうせん!

小型ハチ宿作りです。取り出した竹材の中でまだ使えるものや、新しいもの、太いもの、細いもの、いろいろ混ぜて、10本くらいを、適当な長さに切ります。ハチが営巣しやいすいよう、入り口から節まで距離が長くなるように切り取ります。

竹を切る0034s.jpg
ノコギリ、使いなれてますね!

竹を切る0026s.jpg
しっかりおさえていてね

ヒモで縛る0033.jpg
ギュッと締めて・・・

しばるときは、柔道着の帯を締める時のように、最後は巻いたヒモの下をくぐらせてしばるとしっかりします。

ハチ宿できたよ0036s.jpg
できたよ!

個性豊かにそれぞれのハチ宿が完成。
「ハチ宿は、雨や直射日光が当たらない、風通しの良い軒下やベランダに置くと良いでしょう。北東側の位置がベスト。観察することを考えると、1m位の高さが良い。低いところだとアリが入るので要注意。」とのことです。
持ち帰ったハチ宿にハチたちがやってくるといいですね。カリバチは、ギュッとつかんだりしないかぎり刺しません。そばを通っても、攻撃してくることは絶対にありませんので、安心して観察してください。

☆この日は、J:COMの取材が入り、6月4日(月)に、小金井・府中・国分寺市エリアの「デイリーニュース」という番組内で放映されました。

posted by はけの森調査隊 at 08:48| Comment(0) | 6月 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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